13.大久保混声合唱団(G4、蕃熟の大地/山本純ノ介)
毎回感心することだが、大久保混声の演奏する公募曲は素晴らしい。良くわからないことの多い公募曲の演奏なのだが、 曲の魅力を聞き手に見せてくれるのはココの演奏以外にないと言っても過言ではないだろう。日本語の語感も自然で、 とにかくメロディと言葉が一体となって伝わってくるのだ。ソプラノの声が魅力的なので、それも有利には働いているのだろう。
自由曲は、言葉は悪いが「聞き手に文句を言わせないぞ」という演奏に聞こえた。やや押しつけ気味な表現が、 ともすれば表現過激に感じたのかもしれない。うまいのだけれど、なぜこの曲を歌うのかという必然性が感じられなかった。 課題曲の繊細な表現が薄れ、ともすれば良い声を聞かせるのだという風になってしまったのは残念である。今年のコンクールの傾向からすれば、 各団体の思いが伝わってくる選曲が多かっただけに、「うまいこと」を前面に出した演奏は、 日本語の表現のうまさを誇るココの特徴を生かせなかったのかもしれない。
それにしても、あの「ブラボー」はなんだったんだろうね。会場の空気に対して大いに乖離したように感じたのは私だけ?
14.女声コーラス・トリル(F2、筑波嶺のみねより落つるみなの川/鈴木輝明)
課題曲の細かいリズムがどことなく合ってなくて、柔らかい声とは合わない気がした。 別の曲の方がココの演奏には良かったんではないかなあ。表現自体も地味だったよね。
私は鈴木作品が好きでないからと言うのがあるのかもしれないが、曲の難しさだけを見せるような演奏では、 一般の部では平凡に感じてしまう。きっと凄い演奏なのだろうけれど、「だから何なの?」と問いかけられると答えがないように感じるのである。 別の曲でココの演奏が聴きたいな。
15.合唱団ある(G3、アレルヤ/久留智之)
課題曲は納得がいきません。少なくとも私らが表現したかったところとは全く違う演奏でしたし、 個々のパートの流れが全体として調和していなかったように思うのです。生理的に合わなかったということで…。感想にもなってませんね。
自由曲は面白かったと思います。でも、なにわコラリアーズのような自然な演奏ではなく、人工的に作っているような感じ。 まさにそれを目指したというのならば、その意図が十分に伝わったと言えましょう。それにしても、かなりの難曲ではありますね。 敢闘賞でしょう。
自分らが出場したところに私の審査結果を書くのはちょっと変ではありますが、あえて書いておきます。
金賞:岡崎混声合唱団、なにわコラリアーズ、MODOKI、大久保混声合唱団
銀賞:はもーるKOBE、ノースエコー、グリーンウッドハーモニー、小田原少年少女、大分ウイステリアコール、合唱団ある
銅賞:鶴岡土曜会、トリル
実際の審査結果は、
金賞:岡崎混声合唱団、なにわコラリアーズ、MODOKI、、グリーンウッドハーモニー、合唱団ある
銀賞:はもーるKOBE、ノースエコー、鶴岡土曜会、小田原少年少女、大分ウイステリアコール、大久保混声
銅賞:コールキリエ、徳島男声、Epice、トリル
大枠は違わないものの、聞いた場所や好みで評価が変わってきますね。
というわけで、聞いた団体のすべての感想を書いてみました。今年のコンクールの感想はこれにておしまい。
2006年12月19日
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「大久保混声合唱団」で検索をしていましたら、
貴方様のブログを拝見いたしました。
このブログは熊本での全国大会の様子のように伺えましたが、
実は私もあの日、あの場所で演奏を聴いていた一人です。
熊本で声楽・合唱をやっております。
その一人として一つコメントをさせて下さい。
大久保混声の後に出た「ブラボー」。
さて、大久保混声が歌われた自由曲は、実は
ある県のある地域がテーマになった曲です。
それを知れば自ずと答えが出てくるでしょう。
以上、気になりましたので僭越ながら書き込みさせて頂きました。
失礼、お許しください。
P.S.出演者様でしょうか?
熊本であのような素晴らしい演奏を聴かせて下さり、
本当にありがとうございました。
投稿者: 通りすがり | 2007年01月07日 23:25